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人工膝関節の手術後、しばらく落ち着いていた膝に痛みが出ると、「人工関節がゆるんだのでは」と心配になるかもしれません。しかし、痛みや腫れの原因には感染や不安定性などもあり、症状だけでゆるみを判定することはできません。年数がたったから必ず交換する、痛みが出たからすぐ再手術になる、というわけでもありません。新しい変化をどのように伝え、どの段階で相談するかを整理します。
人工膝関節は、傷んだ関節の部分を人工の部品に置き換える手術に用いられます。「ゆるみ」とは、部品と骨との固定が保てなくなる状態を指します。摩耗や周囲の骨の変化などが関係する場合がありますが、何が起きているかは診察や検査で確認する必要があります。
新しく出た痛みが、必ずゆるみによるとは限りません。人工関節の周囲の感染、関節の不安定性、骨折、動きの制限なども、手術後の問題として評価されます。膝以外の要因が影響している可能性も含め、いつからどのように変わったかを確認することが大切です。
「手術から何年なら必ずゆるむ」という一律の期限はありません。使われた部品、骨の状態、活動、これまでの経過などには個人差があります。インターネットで見た耐用年数だけを基準に、症状を放置したり、反対に再手術が必要だと決めつけたりしないでください。
定期診察で問題がないと言われていても、その後に新しい痛みや腫れが出た場合は別に相談できます。以前の画像が正常だったことは、今の変化を確認しなくてよい理由にはなりません。経過を知っている手術担当医や整形外科に、症状が変わったことを伝えましょう。
出典:AAOS:Revision Total Knee Replacement、MedlinePlus:Total knee joint replacement—revision
ゆるみがあると痛みが生じることがありますが、痛みの場所や出るタイミングだけで確定はできません。立ち上がるとき、体重をかけたとき、歩いているとき、休んでいるときなど、どの場面で困るかを分けて伝えます。「ずっと痛い」と感じる場合も、始まった時期や強さの変化が手がかりになります。
膝が腫れる、以前より曲げ伸ばししにくい、支えが抜けるように感じる、歩行距離が短くなったなどの変化も重要です。痛みを我慢できるかだけで受診を判断せず、生活の中でできていた動作が変わっていないかを確認してください。杖が必要になった、階段で急に不安が増したといった情報も役立ちます。
音が鳴ることだけで、人工関節がゆるんだと判断することはできません。一方、音に新しい痛みや腫れ、不安定感が伴う場合は、音だけの問題として片づけないようにしましょう。気になる動きを何度も繰り返して音を録ろうとするより、自然に起きた場面を説明する方が安全です。
症状を確かめるために、膝を強くひねる、片脚で跳ぶ、深くしゃがむなどの負荷をかけないでください。家庭で行う「ゆるみチェック」で、固定の状態を正確に判定することはできません。普段の生活でわかった範囲を記録し、診察で必要な確認を受けましょう。
出典:AAOS:Revision Total Knee Replacement、MedlinePlus:Total knee joint replacement—revision、NHS:Knee pain

人工関節の感染は手術直後だけでなく、時間がたってから起こることもあります。痛み、腫れ、こわばり、傷からの液などがみられる場合があり、ゆるみと思っていた症状でも感染の確認が必要になることがあります。「術後何年もたっているから感染ではない」とは言い切れません。
膝が赤く熱を持つ、腫れや痛みが急に増える、発熱や悪寒、全身の具合の悪さがある場合は、早急に医療機関へ連絡してください。手術を受けた膝であることを最初に伝え、受診の時期や場所の指示を受けます。発熱がないから感染の可能性がなくなるわけではなく、他の変化も重要です。
転倒後に強く痛む、足をつけない、膝の形が変わった、動かせない場合も、通常の定期診察まで待たないでください。骨折など急な問題がないか確認する必要があります。自分で歩いて確かめたり、無理に曲げ伸ばししたりせず、受診方法を相談しましょう。
以前処方された抗菌薬などを自己判断で飲み始めることは避け、すでに飲んでいる薬があれば必ず伝えます。痛み止めで症状が軽くなったとしても、感染や固定の問題が解決したことにはなりません。症状の一時的な変化だけで相談を取りやめないようにしてください。
出典:AAOS:Revision Total Knee Replacement、MedlinePlus:Total knee joint replacement—revision、NHS:Knee pain
相談先は、まず手術を受けた医療機関や経過を診てもらっている整形外科が候補です。連絡がつかない時間帯や緊急の症状がある場合は、地域の救急相談や受診可能な医療機関へ相談してください。かかりつけに連絡できないことを理由に、強い症状を長時間我慢する必要はありません。
診察では、手術の時期や部品、症状の経過、膝の動きや安定性などを確認します。画像検査で骨や人工関節の状態を調べ、感染が疑われる場合は血液検査や関節の液を調べる検査などが検討されます。どの検査を行うかは個別に判断され、全員が同じ順番になるわけではありません。
以前の診療情報や人工関節に関するカードなどが手元にあれば、持参が必要か確認すると役立ちます。服薬一覧、アレルギー、最近の感染症や処置、転倒の有無も伝えましょう。資料をそろえ切れない場合でも、緊急の受診を遅らせないでください。まずわかる情報を伝えれば構いません。
検査結果の説明では、ゆるみが確認できたのか、感染など別の原因を調べている段階なのかを確かめます。再手術の必要性や時期は、原因と症状、全身の状態などを踏まえて検討されます。痛みという一つの症状だけで、治療内容が決まるわけではありません。
出典:MedlinePlus:Total knee joint replacement—revision、AAOS:Revision Total Knee Replacement

受診までの間は、痛みが増す活動や転倒の危険が高い動作を控え、以前から指示されている杖や補助具があれば適切に使います。どれほど体重をかけてよいかわからない場合は、医療機関へ確認してください。「動かさないと固まる」と考えて、強い痛みのある膝を無理に動かし続けないことが大切です。
一方で、自己判断で長期間まったく動かさない方針にすることも避けます。必要な制限や運動の範囲は原因によって変わるためです。マッサージや矯正で人工関節の固定を直そうとせず、まず状態を確認し、その結果に応じた日常生活やリハビリの指示を受けましょう。
記録は、痛みが始まった日、腫れや熱の変化、歩ける範囲、服用した薬、転倒の有無を短くまとめます。日によって違う場合は、悪かった日の状況も伝えてください。見た目の腫れだけでなく、靴下をはく、椅子から立つなど、具体的な生活動作の変化が相談を助けます。
人工膝関節のゆるみは、自己チェックや症状の一覧だけでは診断できません。新しい痛みや不安定感は手術担当医などへ相談し、発熱、赤み、急な腫れ、足をつけない状態では早急な評価を優先してください。原因を確認してから、生活や運動をどう調整するか一緒に決めていきましょう。
出典:AAOS:Revision Total Knee Replacement、MedlinePlus:Total knee joint replacement—revision、NHS:Knee pain
大阪西区針灸整骨院の所在地・受付時間は当院のご案内をご覧ください。医療機関の診断や治療が必要な症状では、受診を優先してください。