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「検査で異常が見つからず、心因性疼痛という言葉を聞いた」「ストレスと言われたが、実際に痛い」。こうした場合に大切なのは、痛みを我慢して証明しようとすることではなく、その言葉が何を意味して使われたのかを医療者へ確認することです。
心因性疼痛は、心理的な要因と関連する痛みを説明するために使われてきた言葉です。ただし、現在の痛みの理解では、身体・心理・生活環境が関わることを踏まえて評価します。「心因性」という言葉だけで、身体の病気がない、本人の考え方が悪い、気合で治せると結論付けることはできません。

国際疼痛学会の痛みの定義では、痛みには感覚と情動の面があり、生物学的・心理的・社会的な要因の影響を受ける個人的な経験であることが示されています。本人が痛みを訴えている経験を尊重することも重視されています。
画像に写った変化の大きさと、本人が感じるつらさがいつも同じになるわけではありません。痛みが強いのに検査で説明がつかない場合も、それだけで「痛くないはず」とは判断できません。一方、画像で変化が見つかった場合も、その所見だけで生活上の困りごとが全て説明できるとは限りません。
相談するときは、痛みの存在を認めてもらうために動作を無理に繰り返す必要はありません。いつ、どこが、どうつらく、何が難しくなったかを伝えることから始められます。
言葉の受け取り違いを減らすため、次のように具体的に尋ねる方法があります。「正式な診断名ですか、それとも痛みに影響する要因の説明ですか」「どの検査や診察からそう考えましたか」「現時点で分かっていない点は何ですか」「今後どのように経過を見ますか」という四つです。
医療者が説明しようとした内容と、本人が受け取った意味がずれることがあります。例えば、ストレス対策も治療に加えたいという話が、身体の診察をもうしないという意味に聞こえる場合です。理解できた内容を自分の言葉で返し、合っているかを確認してください。
その場で質問が浮かばなければ、説明された言葉だけを書き留めて次の診察で聞いても構いません。検索で見つけた定義を自分へ当てはめる前に、担当者がどの意味で使ったかを共有しましょう。
痛みの説明には、組織への刺激に関わる痛み、体性感覚に関わる神経の病変や病気による痛み、痛みを感じ取る仕組みの変化に関連する痛みなど、異なる考え方があります。これらの区別は、症状の言い方だけで自己診断できるものではありません。
特に、侵害可塑性疼痛という言葉を「精神的な痛み」の言い換えとして使うのは不正確です。心理的要因が関与することと、痛みの仕組みについての分類は別の話です。一人の痛みに複数の要素が関わる場合もあります。国際疼痛学会の用語集では、これらの用語が区別されています。
難しい分類を暗記する必要はありません。「その説明は、痛みの原因を確定したということか、関係しそうな要素の一つなのか」と確認すると、言葉だけが先行することを防げます。
長く続く痛みでは、慢性一次性疼痛や慢性二次性疼痛という分類を聞くことがあります。前者は、他の病気だけでは十分に説明できない痛みを扱う際の概念で、後者は基礎にある病気などに関連する痛みを扱う概念です。詳しい診断条件は医師が症状と経過を確認して判断します。
英国NICEの慢性疼痛の指針でも、身体的な影響だけでなく、睡眠、生活、心理面などを含めた評価が重視されています。検査が正常だったことを説明する際にも、本人の痛みの経験を否定するような伝え方を避ける視点が示されています。
名前を付ければ相談が終わるわけではありません。今ある痛みに対して何が分かっており、生活のどの部分を助けられるかを確認することが、その後の治療を考える土台になります。
検査にはそれぞれ目的があります。骨の状態をみる検査と、血液の状態をみる検査は、同じ範囲を調べているわけではありません。「異常なし」と説明された場合は、どの病気や問題の可能性が低くなったのか、次に何を観察するのかを確認してください。
逆に、不安だからすべての検査を何度も繰り返すことが、必ず安心や治療につながるわけでもありません。過去の検査結果を共有し、今の変化に追加の評価が必要かを医師と相談します。検査の数だけで、痛みが真剣に扱われているかを判断しないようにしましょう。
症状が変わった、新しく力が入りにくい、発熱を伴うなどの場合は、前の検査結果だけで様子を見続けず再相談します。以前の説明が、今後起きるあらゆる症状への保証になるわけではありません。
忙しさや不安が強いときに痛みが増えることもあれば、痛みで仕事や睡眠が妨げられ、その結果としてストレスが増えることもあります。「ストレスがあったから痛くなった」と一方向に決めると、身体の評価や仕事量の調整など、必要な支援が抜けることがあります。
記録する場合は、痛みと気分だけでなく、その日の睡眠、座る時間、移動、家事、服薬なども短く並べます。同じ日に起きた出来事が、必ず原因であるとは限りません。数日分の傾向を見ながら、変更できそうな条件を一つずつ整理します。
職場の負担や家族の世話が関係している場合、本人がリラックスする努力だけで解決できないこともあります。休憩の取り方、業務の分担、家事の支援など、環境を変える相談も治療を続ける助けになります。
長引く痛みへの支援には、医療者との相談、身体活動の調整、心理的な支援などが組み合わされる場合があります。認知行動療法などが提案されるのは、痛みが偽物だからとは限りません。痛みへの不安や回避、生活の困難に対処するために役立つかを検討するものです。
提案の目的が分からない場合は、「痛みそのものへの支援ですか、眠れなさや不安への支援ですか」と聞いてみてください。どの専門職が担当し、どのような方法を使い、どの程度の期間で振り返るかを確認すると、受けるかどうかを考えやすくなります。
話したくない経験を初回から全て説明する必要はありません。どの情報が診療に必要か、家族へ共有する範囲はどうなるかも相談できます。本人の希望を確かめながら進めることが大切です。

痛みを言葉にするのが難しければ、「夜中に目が覚める」「通勤の途中で休む」「包丁を握る仕事が続かない」など、できなくなったことから書けます。そのうえで、始まった時期、場所、痛み方、強くなる場面を分かる範囲で添えます。
痛みの数字を記録する場合も、毎時間採点する必要はありません。数字だけでは、同じ強さでも生活への影響が異なることが分かりにくいため、何ができたかを一つ書く方法があります。記録に追われて休めなくなるなら、項目を減らしてください。
薬の一覧、過去の検査、これまで試した対応とその反応も持参できます。「効かなかった」だけでなく、どのくらい続けたか、眠気など困った点があったかを伝えると、次の方針を相談しやすくなります。
痛みを完全に消したいという希望は伝えて構いません。同時に、次の相談までに何を少し変えたいかを一つ決めると、経過を振り返りやすくなります。例えば「夕食の準備を途中で休みながら行いたい」「短い外出を再開したい」といった生活上の目標です。
これは痛みの改善を諦めるという意味ではありません。治療中の変化を、痛みの点数だけでなく、睡眠や活動、困りごとの大きさからも確認する考え方です。本人が大切にしたい活動を、医療者が決めた目標へ無理に合わせる必要もありません。
目標が実行しにくければ、必要な準備、休憩、支援を分けて相談します。仕事を休めない、育児で時間が取れないといった条件も、治療計画を考えるための情報です。
「動けば気が紛れるはず」と、調子のよい日に家事や運動をまとめて行い、その後長く休むことになる場合があります。一方、痛みが怖くて何もできなくなることもあります。どの程度動いてよいか分からない場合は、今の状態に合わせた活動の相談をしてください。
自分で振り返るなら、何をどれくらい行ったか、その最中と後の反応を短く記録します。医療者から個別に制限されている活動があれば、それを優先します。インターネット上の一律の運動量を、そのまま目標にする必要はありません。
休むことと、すべての活動を中止することは同じではありません。安全にできること、支援があればできること、今は控えることを分け、生活を少しずつ組み立てます。NHSの長引く痛みへの対処案内も、複数の方法を組み合わせる考え方の参考になります。
「心因性なら痛み止めは不要」「身体の病気ではないなら薬をやめる」と、自分だけで判断しないでください。薬は目的、副作用、ほかの病気や薬との関係を含めて選ばれます。処方された理由が分からない場合は、担当医や薬剤師へ確認できます。
相談時には、薬の名前、量、使う時間、飲み忘れ、感じた変化を伝えます。自分では痛みと関係ないと思う薬も、一覧で共有してください。効き方に不満がある場合は、勝手に増やす前に、その不満を具体的に伝えます。
治療の方針を変えるときは、変更の手順と、その後の連絡先を確認します。他人の体験談と同じ診断名に見えても、同じ薬や中止方法が合うとは限りません。
「心因性」とだけ伝えると、「気にしなければよい」と受け取られてしまうことがあります。説明する必要がある相手には、痛みのある動作、難しい作業、手伝ってほしいことを具体的に伝える方法があります。詳しい病歴を誰にでも共有する必要はありません。
例えば「重い物を持ち上げる工程を代わってほしい」「通院の時間を確保したい」「会議の途中で姿勢を変えたい」という伝え方です。できることまで全て取り上げてもらうのではなく、本人の希望と必要な支援をすり合わせます。
家族が付き添う場合は、本人が話す時間を残してもらうことも大切です。周囲が見た変化は役立ちますが、痛みの感じ方を代わりに決めるものではありません。
診察の説明が短かった、言葉が傷ついた、治療の目的が分からないと感じたときは、その疑問を次の診察で伝えられます。「気のせいと言われたように感じ、不安になった」「何を確認した結果なのか知りたい」と、受け止めた内容を具体的に伝えてください。
別の医師への相談を考える場合は、これまでの検査結果、薬、診療の経過を持参すると、同じ説明を初めから繰り返す負担を減らせます。元の担当医へ紹介や資料について相談する方法もあります。検査を際限なく増やす目的ではなく、方針を理解して選ぶための相談にしましょう。
誰に相談すればよいか迷う場合は、かかりつけ医から痛みを扱う診療科や専門外来につないでもらえます。整骨院だけで、原因不明の痛みを心因性と診断することはできません。
長引く痛みの診療を受けていても、新しく突然強い胸痛が出る、息苦しい、意識がおかしい、片側の手足に急な麻痺が出るなどの場合は、以前の診断と同じものと決めないでください。急を要する状態では119番へ連絡します。
発熱、けがの後の強い痛み、進む筋力低下、排尿や排便の急な変化なども、リラックス法で様子を見るだけにしないことが大切です。身体のどこがどう変わったかを医療機関へ伝えて、相談の時期を確認してください。
普段の痛みが強まった場合も、いつもと違う要素があるかを説明します。「前にも心因性と言われたから受診してはいけない」ということではありません。現在の変化に合った判断を受けることが必要です。
注意の向きや状況で痛みの感じ方が変わることは、痛みが偽物である証拠にはなりません。何をしていると楽になるかは、生活を整える情報として伝えられます。逆に、一時的に楽になっただけで病気がないと判断もしません。
思い当たる原因を無理に探す必要はありません。そのまま医療者へ伝え、どういう意味でその言葉を使ったのか確認します。本人が自覚するストレスの有無だけで、痛みの仕組みを確定できるわけではありません。
痛みの原因や治療を、そのような一つの説明で保証することはできません。医療機関での評価を踏まえ、日常動作の負担を相談することと、病気の診断・治療を区別して考えてください。

大阪西区針灸整骨院では、つらい動作や生活の負担についてご相談をお受けしています。原因不明の痛みを心因性と断定したり、治療効果を保証したりすることはできません。まず医療機関で確認が必要なことを整理し、そのうえで日常の身体の使い方を考えます。
腰痛とストレスの具体的な生活の振り返りは、長引く腰痛とストレスの記事で扱っています。用語だけにとらわれず、自分の痛みを理解し、必要な支援を受けるために情報を使ってください。
診察で知らない用語が続くと、その場で理解できなくても不思議ではありません。「その言葉は、原因が確定した意味ですか」「今の段階の見立てですか」「私の生活では何に注意すればよいですか」と、一つずつ聞き返して構いません。紙に書いてもらい、次回までの課題と受診を早める変化を確認すると、帰宅後にも整理できます。インターネットの説明と違うように感じたら、自分で薬や通院を中止する前に、どの点が自分の状態に当てはまるのかを担当者に尋ねてください。
資料確認日:2026年9月28日。相談の例は独自に整理した一般的な説明です。個別の診断や治療の指定ではありません。画像は説明用で、実際の患者・当院設備を示すものではありません。