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股関節の基本的な動きは、屈曲・伸展・外転・内転・内旋・外旋の6方向です。名前を覚えるだけでなく、椅子から立つ、段差を上がる、方向を変えるなどの日常動作と結びつけると理解しやすくなります。ただし、体全体が大きく動いたことと、股関節だけが大きく動いたことは同じではありません。

股関節は、骨盤側のくぼみと大腿骨の頭の部分で構成されます。骨盤と太ももの骨の位置関係が変わることで、脚を前後・左右に動かしたり、ひねったりできます。腰を丸める、体を横に倒すといった動きは、股関節の動きと一緒に起こることがありますが、同じ場所の動きではありません。
たとえば椅子に座って膝を胸へ近づけようとすると、股関節を曲げるだけでなく、背中が丸まったり骨盤が後ろへ傾いたりする場合があります。その見た目だけで「股関節がよく曲がった」と判断しないことが大切です。逆に、日常動作で複数の関節が協力すること自体を、すべて悪い動きとみなす必要もありません。
動きの名前は、どこをどう動かしたかを共有するための言葉です。「脚を上げた」と言うだけでは、前へ上げたのか横へ開いたのかが分かりません。曲げる・開く・ひねるという方向を分けると、困る動作や運動で確認したい点を伝えやすくなります。
この記事では、方向を理解するための例を紹介します。可動域の数値を測る検査や、病気の有無を調べる自己テストではありません。けがや手術の後に動作制限を受けている場合は、ここに挙げた動きを一通り試さず、担当医療者から説明された範囲を守ってください。
動きを説明する基準は、体の正面や中心線です。椅子や鏡の向きが変わると、見た目の左右が分かりにくくなることがあります。相談時は「右脚を前へ」「左脚を横へ」のように、体の左右と方向をセットで伝えると、説明の行き違いを減らせます。
屈曲は、太ももをお腹のほうへ近づける方向の動きです。椅子に座る姿勢や、段差を上がるときに脚を前へ持ち上げる場面を考えるとイメージしやすくなります。伸展は、その反対に太ももを後ろへ動かす方向です。歩行で脚が後方へ残る場面などに関係します。
ただし、階段や立ち上がりは股関節だけで行う動作ではありません。膝や足首、体幹なども関わります。「階段が苦手だから股関節の屈曲だけが問題」と決めつけることはできません。どの場面で困るかを観察し、痛み、力の入りにくさ、バランスへの不安なども分けて伝えましょう。
脚を前へ上げるときに背中を大きく丸める、後ろへ動かすときに腰を強く反らすと、股関節以外の動きも増えます。自分で確認する場合は、大きな幅を追うより、支えのある安全な姿勢で小さな動きにとどめます。写真の人と同じ高さまで脚を上げる必要はありません。
椅子から立つことが目的なら、単独の可動域だけでなく、椅子の高さ、足の置き方、手すりの有無なども相談の材料になります。「床から立つのは難しいが椅子ならできる」のように条件を伝えると、どの生活場面を改善したいかが明確になります。無理に低い椅子で繰り返し試す必要はありません。
段差で困る場合も、「上がるとき」「下りるとき」「足を段に乗せるとき」「体を持ち上げるとき」を分けて振り返れます。同じ階段の動作でも困る瞬間は異なります。手すりを使うと変わるか、荷物を持つと難しいかも、無理に試さず普段の経験から伝えましょう。

外転は、脚を体の中心から外へ離す方向、内転は中心へ近づける方向です。横へ一歩踏み出す場面を想像すると、外転の方向を理解しやすくなります。日常では前後の動きや回旋も組み合わさりますが、最初は「開く」「閉じる」という方向を区別して考えます。
脚を横へ大きく上げたつもりでも、体を反対側へ傾けたり、骨盤を持ち上げたりすると、見た目の幅が大きくなります。これは股関節だけの動きの大きさとは区別します。動作を教わる場面では、何を目的に行い、どこを動かしたいのかを確認すると、単に高く上げることに集中せずに済みます。
立って確認する場合は、ふらつきに備えて動かない台や手すりなどの支えを使い、周囲に物がないことを確認します。片脚で立つことに不安があるなら、無理に行わず、座位など自分に合う方法を専門家へ相談してください。支えを使うことを失敗と考える必要はありません。
「左右で開き方が違う」という気づきだけで、骨盤がずれている、筋肉が壊れていると判断することもできません。気になるのは、差そのものより、痛みや日常の困り方、最近変わったかどうかです。足を組む、床に座るなどの姿勢ができないからと、他人に膝を押して広げてもらう方法は避けましょう。
横へ動く練習を教わった場合は、動かす脚だけでなく、支える脚や手すりの使い方も確認します。支持側が疲れて姿勢が崩れるなら、反復回数を増やす前に相談が必要です。脚を高く上げることを評価せず、目的に合う範囲で安定して動けるかを確かめます。
内旋・外旋は、大腿骨が股関節で内側・外側へ回る方向の動きです。日常では方向転換や、座った状態で脚の向きを変える場面などに関わります。ただし、足先の向きは膝や下腿、足部の向きとも関係するため、つま先だけを見て股関節の回り方を判定しないことが大切です。
座って膝を曲げた姿勢では、足が動く見た目の方向と、股関節の内旋・外旋という名称が直感的に一致しないこともあります。名称が分からないときは、「膝を曲げたまま足を外へ動かす場面」など、実際の姿勢と動きを言葉で説明しましょう。無理に専門用語へ置き換える必要はありません。
回旋の幅を広げようとして、足先を床に固定したまま体を強くひねると、股関節以外にも力がかかります。勢いをつけたり、別の人に脚を回してもらったりして、限界を確かめないでください。痛みや引っかかりがあるときは、その方向を繰り返して試すより、どの場面で起きたかを記録します。
手術後に避けるよう説明される動きは、手術の方法や個別の状態によって異なります。インターネット上の一つの制限角度を、自分にそのまま当てはめたり、逆に一般向けの運動例を理由に制限を解除したりしないでください。担当医療者の説明が分かりにくい場合は、実際の生活動作に置き換えて確認しましょう。
靴や靴下を履くときに困る場合は、座る高さや脚を持ち上げる方法、手が届くかなど複数の条件が関わります。「外旋が足りない」と一つの動きに決める前に、どんな姿勢ならできるかを伝えます。日常の工夫と、関節の運動を広げる必要性は別々に検討できます。

股関節が動く角度の参考値は、すべての人が達成すべき目標ではありません。測る姿勢、骨盤の固定、年齢や体の状態などで見え方が変わります。自分で角度を測って正常・異常を決めたり、左右を完全に同じにするため痛みを我慢して伸ばしたりする必要はありません。
運動をする場合は、目的に合う内容と量を確認します。AAOSの股関節運動資料も、医師や理学療法士と相談して行い、運動中の痛みを無視しないよう案内しています。柔らかさだけを増やせばよいのではなく、筋力、バランス、生活の中での使いやすさも一緒に考えることが大切です。
転倒後に強い痛みがあり体重をかけられない、急に股関節が強く痛む、熱や腫れ、発熱を伴う場合は、運動より医療機関での確認を優先します。痛みが続いて睡眠や日常生活に支障がある場合も相談してください。「動かせばほぐれる」と決めて、繰り返し可動域を試さないようにしましょう。
相談では、「靴下を履きにくい」「車の乗り降りで痛む」「横へ一歩出すと不安」など、具体的な動作を伝えます。大阪西区針灸整骨院への相談を検討する場合は、院情報を確認し、受診歴や動作制限も共有してください。6方向の名称は、できない動きを採点するためではなく、困り方を正確に伝えるために役立てましょう。
運動指導を受けたら、目的、開始姿勢、動かす方向、無理のない幅、中止する症状を確認します。分からない点は実際に見せてもらい、自分の理解を言葉で確かめると役立ちます。体の柔らかい人の動画と比べて、教わった範囲を自己判断で大きくしないようにしましょう。
参考:AAOS:Hip Conditioning Program / NHS:Hip pain / 大阪西区針灸整骨院:院情報