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頭の片側がズキズキ痛み、仕事や家事を続けるのがつらい。明るい画面を見ると気分が悪く、首や肩まで重く感じる。このような頭痛には片頭痛の可能性がありますが、「片側が痛い」という特徴だけで片頭痛と診断することはできません。いつもの頭痛と違う変化がないかを確認し、繰り返す場合は医療機関へ相談することが大切です。
この記事では、片頭痛の特徴を簡単に整理したうえで、頭痛日記の書き方、診察で相談したい事項、仕事や生活上の困りごとの伝え方を具体的に紹介します。突然の激しい頭痛や手足の麻痺などがある場合は、記事を読み進めるより救急受診を優先してください。

片頭痛では、脈打つような痛み、普段の動作で強まる頭痛、吐き気、光や音への過敏さなどがみられます。未治療または治療が効かなかった発作は、一般に4〜72時間続くことがあります。片側とは限らず両側が痛む場合もあり、症状には個人差があります。診断は、発作の経過や他の病気の可能性も含めて医師が行います。日本頭痛学会の片頭痛解説を参考にしています。
「吐き気がないから違う」「いつも両側だから片頭痛ではない」と、自分で候補を消してしまう必要はありません。反対に、インターネットで特徴が一致したからといって診断が確定するわけでもありません。チェック項目の数を数えるより、実際にどう困っているかを受診時に伝えましょう。
片頭痛の経過の中で首のこりを感じることがあります。しかし、首を強く揉めば発作が治るという意味ではありません。肩の張りが先だったのか、頭痛のあとに気づいたのかを分けて記録すると、症状の順番を説明できます。
肩こりと片側の頭痛の関係は、肩こりに片側の頭痛が重なるときの考え方でも説明しています。ここでは、片頭痛が疑われるときに診察へ持っていく情報を中心に整理します。
片頭痛には、視界に光が見えるなどの前兆を伴うタイプもあります。一方で、初めての見え方の異常、言葉が出にくい、片側の手足に力が入らないなどの症状を、自己判断で前兆として片づけてはいけません。すでに片頭痛と診断されている人も、いつもと異なる症状は改めて医療機関へ相談してください。
突然非常に強い頭痛が起きた、意識がおかしい、けいれんした、片側の手足や顔が動かしにくいといった場合は、119番への救急要請を考えます。頭を打ったあとに頭痛が強くなる、発熱と強い頭痛が重なる場合も、速やかに医療機関へ相談してください。自分で運転して移動しないことが重要です。
また、頭痛の回数や強さが増えている、いつもより長く続く、今までの薬で対応しにくいなどの変化も診察で確認したい内容です。妊娠中や産後の新しい頭痛・強い頭痛は、早急に医療機関へ相談してください。救急のサインや相談の目安は英国NHSの片頭痛の案内でも取り上げられています。

診察日に頭痛がないと、「今日は元気だから説明しにくい」と感じるかもしれません。頭痛日記は、つらかった日の状況をあとから伝えるためのものです。毎回詳しい文章を書く必要はなく、カレンダーやスマートフォンに短く残すところから始められます。
日本頭痛学会の頭痛ダイアリーでは、発作の時間、症状、薬、日常生活への影響などを記録できます。医療機関から指定の用紙を渡されている場合は、そちらを優先してください。以下は書きやすくするための独自の整理例です。
覚えていない項目は空欄で構いません。頭痛がなかった日も分かる範囲で印を付けると、「一か月ずっとつらかった」という印象と実際の日数を分けて話せます。ただし、記録を完成させるために受診を延期する必要はありません。
仮の記入例:9月○日、14時ごろから左側がズキズキした。パソコンの画面がつらく、会議を途中で抜けた。吐き気は少し。医師から指示された薬を14時半に使用。16時には座って作業できたが、帰宅後の夕食作りは家族に頼んだ。
この例のポイントは、痛みの点数だけでなく「会議を抜けた」「家事を頼んだ」という支障を残していることです。薬を使って作業に戻れたとしても、その日の生活がすべて元通りになったとは限りません。午後の予定や帰宅後の状態も、短く添えられれば十分です。
仮の記入例:9月△日、朝に右側の軽い痛みがあった。仕事は休まなかったが、音が気になり休憩を増やした。夕方に予定していた買い物は翌日に変更。薬は使っていない。前日の就寝が遅かったが、原因かどうかは分からない。
「休まなかったから支障なし」と決める必要はありません。つらさを避けるために予定を減らしている場合、その変更も相談材料です。一方で、寝不足などを毎回の原因と断定せず、出来事と症状を並べて残します。記入例はいずれも説明用で、実際の患者さんの症例ではありません。
頭痛の薬を使う日が増えている、効きにくくなって追加することが多い、といった変化は医師に伝えてください。頭痛薬の使用過多が関係して、頭痛の頻度が増えることがあります。薬の種類によって確認する使用日数が異なるため、全員に一つの上限を当てはめて自己判断するのは避けます。日本頭痛学会の薬剤の使用過多による頭痛の解説も参考になります。
メモには「いつもの薬」とだけ書かず、製品名や処方薬の名前を残しましょう。複数の薬を使った日は、それぞれの名前と時刻を書きます。別の痛みや風邪のために使った薬も含め、お薬手帳や外箱を見せると確認しやすくなります。
使いすぎが心配でも、自分で急に処方薬を中止したり、他人の薬に替えたりしないでください。予防薬と発作時の薬では使い方が異なります。「発作がない日も飲む薬なのか」「効かなかったときにどうするか」を担当医や薬剤師に確認し、指示をメモしておきます。
片頭痛の治療には、発作時の対応と、発作を起こりにくくする予防的な対応があります。どの方法が適するかは、頻度、強さ、生活への支障などを踏まえて検討されます。受診時には、薬を希望するかどうかだけでなく、どの場面を改善したいかを伝えましょう。
例えば「仕事中の発作で予定が崩れるのが不安」「子どもを迎えに行く時間に動けなくなる」「吐き気で薬を飲みにくい」などです。頭痛のある時間だけでなく、次の発作を心配して外出を控えていることも、相談してよい内容です。
説明を聞いたら、次の受診までの方針を一つのメモにまとめます。薬の説明と生活上の工夫を別の場所に保存すると、つらいときに探しにくくなります。「医師から受けた指示」「自分の記録」「次に聞くこと」を分けておくと、診察のたびに情報を更新しやすくなります。
発作時には、光や音の刺激が少ない場所で休むことが助けになる場合があります。強い運動や首への刺激で無理に乗り切ろうとせず、医師から受けた発作時の指示に従ってください。急な見え方の異常やふらつきがある場合は、運転や危険な作業を中断します。
仕事では、体調がよいときに「途中で休む場合の連絡先」「画面作業を交代できるか」「早退が必要な場合の引き継ぎ」を考えておくと、発作中に一から説明する負担を減らせます。職場に病歴のすべてを話す必要はありませんが、業務上必要な調整は具体的に伝えましょう。
家庭でも、「今日は休みたい」だけでなく、「夕食の準備を代わってほしい」「静かに休む間、子どもの対応をお願いしたい」と頼む内容を決めておく方法があります。治療の効果を保証する工夫ではありませんが、つらい日に必要な助けを得るための準備になります。

頭痛日記を続けると、睡眠、食事、忙しさ、月経などとの重なりに気づくことがあります。ただし、一度の一致だけで原因を決めたり、食べ物や行動を次々と禁止したりする必要はありません。生活の制限が増えすぎると、続けにくくなります。
「休日前後で起きることが多い気がする」など、傾向として医師に見せましょう。変更する場合も、無理のない範囲で一つずつ試し、頭痛の出方と生活への負担の両方を確認します。記録は反省文ではなく、治療を相談するための道具です。つらさを本人の努力不足と結び付けないことが大切です。
頭痛の回数が減ったかどうかは大切ですが、それだけで満足できるかは人によって異なります。「回数は同じでも寝込む時間は短くなった」「痛みは軽いが吐き気で食事が難しい」など、変化を分けて相談しましょう。頭痛日記を見ながら、次にいちばん困っている点を一つ挙げると、話の焦点が定まります。
例えば、通勤中の発作への不安が大きいなら、薬の携帯や発作時の連絡、移動を中断する判断について相談できます。仕事の予定を守ることが目標なら、どのような発作で作業が難しくなるか、薬を使ったあとの状態も説明します。症状の目標と生活の目標を両方伝えることがポイントです。
診察の終わりには「今回の方針」「次回までに見る点」「困ったときの連絡方法」を確認しておきます。発作中は長い説明を読み返すのが難しいので、医師の指示を短くまとめておくと使いやすくなります。ただし、自分で作ったメモが処方の指示と違わないよう、曖昧な点は確認してください。
月経や服薬など、日記には個人的な情報が含まれます。職場や家族へすべて見せる必要はなく、医療機関には診察に必要な情報を、職場には必要な作業調整を伝えるなど、共有する内容を分けられます。記録を誰かに評価してもらうためではなく、自分が適切なケアや助けを受けるために使いましょう。
あります。名前だけで判断せず、痛み方、継続時間、随伴症状、繰り返し方を合わせて医師が確認します。日によって痛む側が違う場合も、そのまま記録してください。
完璧でなくて構いません。まず日付、薬、生活への影響だけでも残すと相談の入り口になります。症状が強い日に書けなかった分を、後から想像で補う必要はありません。
薬の選択や調整、頭痛の診断は医師・薬剤師へ相談してください。当院では医療機関での評価を前提に、首肩の負担や日常動作について対応できる範囲を確認します。片頭痛そのものが骨盤や首の矯正で治ると断定することはできません。
片側のズキズキする頭痛は片頭痛でみられる特徴ですが、症状だけで自己診断しないことが大切です。急な異常は救急の相談を優先し、繰り返す頭痛は日記を持って医療機関へ相談しましょう。頭痛の種類と受診目安の全体像は、頭痛の症状別ページをご覧ください。