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「産後の骨盤体操は何をすればいい?」「自宅でできるストレッチから始めたい」と考えていても、出産後の身体にどこまで負荷をかけてよいのか迷う方は多いでしょう。
先に結論をお伝えすると、産後の運動は、出産方法・傷の状態・出血・痛み・体力に合わせ、呼吸や骨盤底筋などの軽い動きから段階的に進めることが大切です。体操で骨盤の骨を押し戻す、体型を必ず元に戻すというものではありません。
この記事では、産後骨盤矯正を検討している方に向けて、自宅でできる7つの体操・ストレッチ、開始時期、負荷を上げる目安、よくある間違い、中止して医療機関へ相談したい症状まで解説します。

妊娠・出産後は、腹部の筋肉が伸ばされ、骨盤底筋にも負担がかかります。さらに授乳、抱っこ、床からの立ち上がり、睡眠不足などが重なり、腰や股関節まわりの使い方も変わります。
一般に「骨盤が開いた」「骨盤が歪んだ」と表現されますが、見た目や痛みの原因をすべて骨盤の位置だけで説明することはできません。産後の体操では、次のような身体機能を少しずつ取り戻すことを目標にします。
体型の変化には、筋力、姿勢、活動量、睡眠、食事、体重変化、腹直筋離開など複数の要素が関係します。運動は回復を支える一つの手段であり、体操だけで体重や骨盤幅が必ず変わるわけではありません。
開始時期は全員同じではありません。カレンダーだけで決めず、出産後の経過と現在の症状を確認します。
NHSやACOGは、合併症のない出産であれば、本人ができそうだと感じる時期から、歩行、軽いストレッチ、骨盤底筋運動などを徐々に再開できると案内しています。最初は数分にして、運動中と運動後に出血や痛みが増えないかを確認してください。
帝王切開は腹部の手術です。会陰切開・裂傷、出血、感染、高血圧などがあった方も回復の条件が異なります。傷の痛みや腫れがある場合は自己判断で負荷を上げず、産科・助産師・かかりつけ医へ確認してください。
ランニング、ジャンプ、強い腹筋運動などは、軽い体操とは分けて考えます。産後健診で相談し、日常生活と低負荷運動で痛み、尿漏れ、膣の重い感じ、腹部の盛り上がりが出ないことを確認してから段階的に進めましょう。
産後1か月・2か月・3か月の考え方については、産後骨盤矯正を始める時期の詳しい解説もご確認ください。
次の症状がある場合は、体操を始めず医療機関へ相談してください。緊急性が疑われる症状は整骨院より医療機関を優先します。
体調に問題がなければ、滑りにくい床と動きやすい服装を準備します。赤ちゃんは安全な場所に寝かせ、抱っこしたまま不慣れな体操を行わないでください。
最初から7種類すべてを行う必要はありません。今の身体で楽にできるものを1~3種類選び、少ない回数から始めてください。
まず、運動中に息を止めないための準備をします。仰向けがつらい方は横向きや椅子座位でも構いません。
ポイント:お腹を最大限へこませる必要はありません。息苦しさやめまいが出る場合は中止します。
骨盤底筋は尿道、膣、肛門の周囲を下から支える筋肉群です。日本理学療法士協会も、息を吐く際にやさしく締めて引き上げ、吸う際に十分リラックスする方法を紹介しています。
ポイント:実際の排尿中に尿を止める練習を繰り返さないでください。お尻、内もも、お腹に強く力が入る場合は力を弱めます。
尿漏れや膣の重い感じがある方は、産後の尿漏れと骨盤底筋の解説も参考にしてください。
ポイント:腹部の中央が山のように盛り上がる、傷が引っ張られる、腰痛が増える場合は中止してください。
寝たまま行う運動を詳しく知りたい方は、産後の骨盤ストレッチを寝ながら行う方法で手順をまとめています。
立位へ進む前に、座った状態で骨盤と腰の小さな動きを確認します。
ポイント:大きく反らす運動ではありません。恥骨、仙腸関節、尾骨に痛みが出る範囲まで動かさないでください。

手首や膝に問題がなく、腹部の傷に負担がない方が行う次の段階です。
ポイント:腹部が下へ強く垂れる、中央が盛り上がる、手首・腰・骨盤に痛みが出る場合は行いません。
立ち上がりは育児で何度も繰り返す動作です。筋トレとして回数を増やす前に、左右へ偏らず立てるかを確認します。
ポイント:恥骨痛、股関節痛、膝痛、尿漏れ、膣の重い感じが出る場合は中止します。抱っこしながら練習しないでください。

歩行は日常へ戻るための基本的な全身運動です。最初から歩数や速さを目標にせず、症状が出ない時間を確認します。
ポイント:骨盤がぐらつく感じ、尿漏れ、膣の重い感じ、傷の痛みが出た場合は距離を増やさないでください。
7種類は毎日すべて行う課題ではありません。床に寝ると起き上がりがつらい日は、安定した椅子での呼吸や小さな骨盤の動きから選びます。手首や膝に負担がある日は四つんばいを外すなど、始める姿勢そのものが苦しくない種目を選んでください。無理のない姿勢が見つからないときは、運動を休み相談しましょう。
椅子はキャスターやぐらつきのない物を使い、足元のおもちゃや滑りやすい敷物を片付けます。立ち座りをするなら、座面の端から落ちそうにならず、足裏を床につけられる高さを確認します。写真の姿勢に合わせるために腰を反らしたり、胸を張り続けたりする必要はありません。
運動中は「息を止めていないか」「痛みを避けるために別の場所へ強く力を入れていないか」を確認します。骨盤底筋の運動では、締めることに加えて力をゆるめる時間も取ります。感覚が分からないまま強く繰り返すより、産婦人科や骨盤底の相談に対応する専門職へ方法を確認してください。
一つ試して問題がなければ、その日はそこで終えても構いません。育児で中断したときに残りを埋め合わせる必要もありません。翌日に家事や歩行がつらくなる場合は、次は量を減らすか中止して相談します。続けやすさは、短い時間でも自分の反応を確かめられることから考えましょう。
少ない種類に慣れ、症状なく取り組めている方の組み合わせ例です。初日から全部を行う必要はありません。時間や回数を守ることより、症状が出ないことを優先してください。
出産後間もない方は最初の1~3だけでも構いません。四つんばい、立ち座り、歩行は、身体の回復と症状に合わせて追加します。
2025年のカナダ産後24時間行動ガイドラインは、医学的な禁忌がない方に対して、個別かつ段階的に中強度以上の身体活動へ進む考え方を示しています。ただし、最終的な運動量の目標を、産後すぐの開始量と混同しないことが重要です。
次の項目を満たす場合に、回数・時間・種類のうち一つだけを少し増やします。
一度に回数・時間・強度をすべて増やさないことが安全に継続するコツです。睡眠不足や体調不良の日は減らす、または休みましょう。
鋭い痛み、しびれ、傷の痛みは、伸びている感覚として我慢するものではありません。痛みを出さない範囲へ戻すか中止します。
強く力むと呼吸が止まり、腹圧が過度に上がる場合があります。下腹部はやさしく使い、会話や呼吸を続けられる強さにします。
骨盤底筋には緩む働きも必要です。締めた後は完全に力を抜きます。痛みがある方や力の入れ方が分からない方は、医師や理学療法士などへ相談してください。
産後は睡眠や体調が日によって変わります。回数を守ることより、その日の症状に合わせて調整することが大切です。
体型には運動以外の要素も関係します。食事を極端に減らしたり、早く結果を出そうと高負荷運動へ進んだりせず、回復と生活全体を考えましょう。
セルフケアを続けても変化がない場合、努力不足とは限りません。運動の方法が合っていない、症状に別の原因がある、抱っこや授乳などの負担が回復を上回っている可能性があります。
腰痛が主な悩みの場合は、産後腰痛の原因と相談の目安もご覧ください。痛みの場所や症状によっては、整形外科、産婦人科、泌尿器科などの受診が必要です。
当院では、医療機関で確認すべき症状がないことを前提に、姿勢だけでなく、寝返り、立ち上がり、歩行、股関節や腰の動き、育児中に症状が出る場面を確認します。
全員へ同じ体操を勧めるのではなく、現在できる動きと避けたい負荷を整理し、自宅で続けられる方法をご案内します。施術内容や対応範囲は、産後骨盤矯正の症状・施術案内をご確認ください。
軽い呼吸や骨盤底筋運動を無理なく行える方もいますが、毎日必須ではありません。痛み、出血、強い疲労、体調不良がある日は休みます。
最初は1種類3~5回程度から十分です。翌日まで症状が残らなければ少しずつ増やします。回数よりフォームと症状の有無を優先してください。
回復後に行える運動はありますが、傷の状態と出産後の経過を確認する必要があります。運動開始は産科・助産師・かかりつけ医へ相談してください。
筋肉の使い方や身体機能を改善する助けにはなりますが、骨盤の骨を押し戻したり、骨盤幅を必ず狭くしたりする運動ではありません。
運動は活動量を増やす一つの方法ですが、特定の体操だけで体脂肪が必ず減るとはいえません。授乳中の栄養や体調にも配慮し、急激な減量は避けましょう。
産後年数だけで運動の可否は決まりません。現在の痛み、筋力、持病、運動歴に合わせて始められます。強い症状がある場合は先に医療機関で原因を確認してください。
産後骨盤矯正の必要性、効果、開始時期、回数などをまとめて知りたい方は、産後骨盤矯正の総合解説も参考にしてください。